Instagramの副業広告で50万円を失った
被害の経緯
インスタで「スマホで月20万円稼ぐ方法を教えます」という投稿を見て、DMを送りました。最初は無料でノウハウを教えてくれましたが、「本格的なコミュニティ参加には入会金50万円」と言われました。分割払いの消費者金融まで紹介され、借り入れてしまいました。入会後は何も役に立たず、連絡が途絶えました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
「稼ぎ方を教えます」から高額なコミュニティ参加費へ進む形。無料で信用させてから金額を出してくるかどうかで見る。
SNSをきっかけにした情報商材・副業のトラブルです。InstagramやTwitter(X)で「自分は月収100万円」と見せかけ、高額な「ノウハウ」「コミュニティ」を売りつけます。
この詐欺の特徴
- 「スマホだけで稼げる」「初心者OK」「在宅で時間自由」などキャッチコピー
- 最初は無料コンテンツを提供して信頼を獲得する
- 段階的に高額なコース・コミュニティへ誘導する
- 消費者金融やクレジットカードで借り入れさせてまで購入させる
- 購入後は実質的なサポートがなく収益も得られない
被害を防ぐために
副業は基本的に無料または数千円程度のコストで始められます。数十万円の「入会金」「コンサル費用」を先に払わせる形では、支払ったあとに何を提供するのかを契約前に書面で確認してください。また、「期間限定」「今だけ」など焦りを煽る言葉には乗らないようにしましょう。
被害にあったら
- 消費生活センター(188)に相談。クーリングオフが使える場合があります
- 特定商取引法に基づく解約請求が可能な場合も
- 消費者金融で借入した場合は弁護士に相談を
- 国民生活センターのホームページにも相談窓口情報あり
公表されている相談件数
全国の消費生活センター等に寄せられた「情報商材」に関する相談は、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に次のように登録されています。
| 年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|---|
| 相談件数 | 6,256 | 4,163 | 2,623 | 182 |
出典:独立行政法人国民生活センター「情報商材」(PIO-NETに登録された相談件数の推移)2026年7月31日更新。https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/infoproducts.html
相談件数は2026年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)。2026年度の欄は年度の途中までの件数です。2026年度の同じ時点における前年同期の件数は285件です。
これは全国の消費生活センター等に寄せられた相談の件数です。詐欺の発生件数でも被害の件数でもありません。相談されなかった事例は含まれず、相談された内容がすべて詐欺と確認されたものでもありません。
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
振込先の口座からお金を取り戻す制度(振り込め詐欺救済法)
振込によって金銭をだまし取られた場合には、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)にもとづく手続きがあります。
同法第12条第1項は、被害回復分配金の支払を受けようとする者は、支払申請期間内に、申請書に資料を添付して「対象預金口座等に係る金融機関に申請をしなければならない」と定めています。申請先は振込先の口座がある金融機関です。同条第3項は、この申請を、振込みの依頼をした金融機関を経由して行うこともできると定めています。
同法第11条第2項は、その支払申請期間について「同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない」と定めています。法律が定めているのは30日という下限であり、期間は無期限ではありません。口座が凍結されているか、公告が出ているか、申請期間がいつまでかは、振込先の金融機関に問い合わせて確認してください。
この制度は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するものです。口座に資金が残っていなければ分配は行われず、支払われる額も失った額と同じとは限りません。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 419AC1000000133)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。