⚠️ 詐欺被害は2025年に約3,257億円(警察庁)。一人で悩まず確認を。
フィッシング詐欺

「LINE友達紹介ボーナス」を装ったフィッシングでアカウント乗っ取り

被害者:22歳・女性 | 被害額:約15万円

被害の経緯

LINEで知人から「期間限定の友達紹介ボーナスを受け取れる、このリンクからログインして」というメッセージが届きました。LINEそっくりのページでIDとパスワードを入力したところ、アカウントが乗っ取られ、友人リストに「緊急でお金を貸して」というメッセージが一斉送信されていました。複数の友人が合計15万円を送金していました。

この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。

この事例から学ぶこと

LINEのログインページは公式アプリ経由のみ利用する。知人からのリンクでも不審に思ったら直接電話で確認する。

LINEアカウントの乗っ取りは、アカウント保有者だけでなくその友人・知人にも被害が及ぶ連鎖型の詐欺です。「知人からのメッセージ」という信頼関係を悪用するため、乗っ取られた本人が気づく前に友人へ送金の依頼が届きます。

この詐欺の特徴

  • すでに乗っ取られた知人のアカウントからメッセージが届く
  • 「ボーナス」「キャンペーン」など魅力的な内容でリンクをクリックさせる
  • LINEそっくりの偽サイトでIDとパスワードを入力させる
  • アカウントを乗っ取ったら友人に「お金を貸して」とメッセージを送る
  • PayPayや銀行振込で送金させる

被害を防ぐために

LINEのログインは必ず公式アプリから行いましょう。ウェブブラウザからLINEのURLを開いてIDとパスワードを入力する場面は基本的にありません。知人からの「お金を貸して」メッセージは、必ず電話やビデオ通話で本人確認をしてから判断してください。LINEの二段階認証を設定することも重要です。

被害にあったら(アカウント乗っ取りの場合)

  • LINEの公式サポートにすぐ連絡してアカウントの凍結を申請
  • 知人全員に「アカウントが乗っ取られた」と別の手段(電話等)で連絡
  • LINEのパスワードを変更し、二段階認証を設定
  • お金を送ってしまった友人には警察への届出を勧める

法律ではどう定められているか

偽サイト・偽メールでIDとパスワードの入力を求める行為(不正アクセス禁止法)

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第7条は「何人も、アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者になりすまし、その他当該アクセス管理者であると誤認させて、次に掲げる行為をしてはならない」と定めています。禁じられているのは、そのアクセス管理者が利用権者に対し「当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報」を、第1号では自動公衆送信を利用して公衆が閲覧することができる状態に置く行為、第2号では電子メールにより利用権者に送信する行為です。

条文が禁じているのは入力を「求める」行為そのもので、実際に入力されたかどうかや、金銭の被害が出たかどうかは要件になっていません。名宛人は「何人も」ですが、アクセス管理者になりすました場合、またはアクセス管理者であると誤認させた場合に限られます。

ここでいう「識別符号」は、同法第2条第2項が、アクセス管理者が利用権者を他の利用権者と区別して識別することができるように付される符号であって、アクセス管理者によってその内容をみだりに第三者に知らせてはならないものとされている符号(ほかに身体の影像・音声を用いて作成される符号、署名を用いて作成される符号)と定義しています。

第12条第4号は、第7条の規定に違反した者を「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」と定めています。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 411AC0000000128)

盗んだIDとパスワードでログインする行為(不正アクセス禁止法)

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第3条は「何人も、不正アクセス行為をしてはならない」と定めています。同法第2条第4項第1号は、その一つを、アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて「当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為」と定義しています。

第11条は、第3条の規定に違反した者を「三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」と定めています。

これは、他人のIDとパスワードを実際に入力してログインした段階を対象とする規定で、入力を求める行為を禁じた第7条とは別の行為です。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 411AC0000000128)

詐欺罪(刑法)

刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。

第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)

振込先の口座からお金を取り戻す制度(振り込め詐欺救済法)

振込によって金銭をだまし取られた場合には、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)にもとづく手続きがあります。

同法第12条第1項は、被害回復分配金の支払を受けようとする者は、支払申請期間内に、申請書に資料を添付して「対象預金口座等に係る金融機関に申請をしなければならない」と定めています。申請先は振込先の口座がある金融機関です。同条第3項は、この申請を、振込みの依頼をした金融機関を経由して行うこともできると定めています。

同法第11条第2項は、その支払申請期間について「同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない」と定めています。法律が定めているのは30日という下限であり、期間は無期限ではありません。口座が凍結されているか、公告が出ているか、申請期間がいつまでかは、振込先の金融機関に問い合わせて確認してください。

この制度は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するものです。口座に資金が残っていなければ分配は行われず、支払われる額も失った額と同じとは限りません。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 419AC1000000133)

条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。

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