Amazonを装ったメールでクレジット情報を盗まれた
被害の経緯
「Amazonアカウントが不正アクセスを受けました。24時間以内に確認してください」というメールが届きました。リンクをクリックするとAmazonそっくりのサイトが表示され、ログイン情報とクレジットカード番号を入力してしまいました。翌朝、カードで20万円近い買い物が複数されていることに気づきました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
メールのリンクは踏まない。公式サイトには直接URLを入力してアクセスする。URLのドメインを必ず確認。
Amazonやメルカリ、銀行などの大手企業を装ったメールから、本物そっくりのデザインで作られた偽サイトに誘導し、アカウント情報やクレジットカード情報を入力させる手口です。
この詐欺の特徴
- 本物のAmazonとほぼ同じデザインの偽サイトを用意している
- 「緊急」「24時間以内」「アカウントが停止されます」など焦りを煽る
- 差出人のメールアドレスが本物に似た偽のアドレス(amazon-support@xxxxx.com等)
- URLが微妙に異なる(amazon.co.jp → arnazon.co.jp など)
被害を防ぐために
メール内のリンクはクリックせず、ブラウザのアドレスバーに直接「amazon.co.jp」と入力してアクセスしましょう。Amazonの公式サイトには「メッセージセンター」があり、本物のメールはそこで確認できます。また、クレジットカードの利用明細を毎日確認する習慣をつけましょう。
被害にあったら
- カード会社に即連絡して利用停止と不正請求の申請
- Amazonアカウントのパスワードを直ちに変更
- 同じパスワードを使っている他のサービスも変更
- 警察のサイバー犯罪相談窓口に届出
- 不正利用の補償を受けられるかどうかはカード会社の会員規約による。まずカード会社に届け出て条件を確認する(この事例では回収できた)
法律ではどう定められているか
偽サイト・偽メールでIDとパスワードの入力を求める行為(不正アクセス禁止法)
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第7条は「何人も、アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者になりすまし、その他当該アクセス管理者であると誤認させて、次に掲げる行為をしてはならない」と定めています。禁じられているのは、そのアクセス管理者が利用権者に対し「当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報」を、第1号では自動公衆送信を利用して公衆が閲覧することができる状態に置く行為、第2号では電子メールにより利用権者に送信する行為です。
条文が禁じているのは入力を「求める」行為そのもので、実際に入力されたかどうかや、金銭の被害が出たかどうかは要件になっていません。名宛人は「何人も」ですが、アクセス管理者になりすました場合、またはアクセス管理者であると誤認させた場合に限られます。
ここでいう「識別符号」は、同法第2条第2項が、アクセス管理者が利用権者を他の利用権者と区別して識別することができるように付される符号であって、アクセス管理者によってその内容をみだりに第三者に知らせてはならないものとされている符号(ほかに身体の影像・音声を用いて作成される符号、署名を用いて作成される符号)と定義しています。
第12条第4号は、第7条の規定に違反した者を「一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」と定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 411AC0000000128)
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。