不用品回収業者が「無料」と言いながら高額請求
被害の経緯
引っ越し前にチラシで「不用品を無料で回収します」という業者に連絡しました。当日、スタッフが来て家電や家具を次々に積み込みました。作業終了後に「追加品目が多かったため」と言われ、9万円の請求書を渡されました。断ると「すでに積んだ荷物を戻すには別料金がかかる」と言われ、やむなく支払いました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
「無料回収」を名乗りながら、作業のあとで高額を請求されることがある。作業前に書面で見積もりを取る。
「無料回収」「格安回収」と告げておきながら、作業が終わってから高額を請求する不用品回収の手口です。荷物を積み込まれたあとでは断りにくく、その場で支払ってしまいやすい形になっています。
この詐欺の特徴
- 「無料回収」「0円引き取り」などのチラシやネット広告
- 訪問時はフレンドリーで、どんどん品物を積み込む
- すべて積んでから高額な請求書を提示する
- 断ると「積み下ろしにも費用がかかる」と脅す
- 不法投棄する業者もあり、後日罰則が所有者に及ぶケースも
被害を防ぐために
不用品回収は、事前に書面で見積もりを取りましょう。「無料」という言葉を鵜呑みにせず、作業前に料金の上限を確認してサインさせる業者を選びましょう。市区町村の粗大ごみ収集や、家電リサイクル法に基づく処分を利用するのが安全です。
被害にあったら
- 消費生活センター(188)にすぐ相談
- 特定商取引法の「訪問販売」に該当すればクーリングオフ(8日以内)が使える場合あり
- 支払った場合は領収書を必ず取っておく
- 警察への相談(悪質な恐喝行為に該当する場合あり)
法律ではどう定められているか
訪問販売に関する規制(特定商取引法)
特定商取引法(昭和51年法律第57号)第6条第1項は、訪問販売の勧誘に際して、また申込みの撤回や解除を妨げるために、商品や役務の種類・内容、販売価格や対価、支払の時期と方法、引渡しや提供の時期、契約の申込みの撤回や解除に関する事項などについて「不実のことを告げる行為」を禁じています。同条第2項はこれらの一部について「故意に事実を告げない行為」を、第3項は契約を締結させたり撤回・解除を妨げたりするために「人を威迫して困惑させ」ることを禁じています。
第9条第1項は、営業所等以外の場所で申込みや契約をした場合について、第5条第1項または第2項の書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、書面または電磁的記録によって申込みの撤回または契約の解除ができると定めています(クーリング・オフ)。同項ただし書は、事業者が第6条第1項に違反して撤回・解除に関する事項について不実のことを告げたことにより誤認した場合や、同条第3項に違反して威迫したことにより困惑した場合で、そのために8日が過ぎてしまったときは、あらためて撤回等ができる旨を記載した書面を受領した日から8日を数えると定めています。
同条第3項は、申込みの撤回等があった場合に事業者が損害賠償や違約金の支払を請求できないことを、第4項は引き取りや返還に要する費用が事業者の負担になることを定めています。第8項は、これらの規定に反する特約で申込者等に不利なものは無効であると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 351AC0000000057)
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。