⚠️ 詐欺被害は2025年に約3,257億円(警察庁)。一人で悩まず確認を。
暗号資産詐欺

ビットコイン投資セミナーで「保証付き」プランに騙された

被害者:50歳・男性 | 被害額:500万円

被害の経緯

オンラインセミナーで「暗号資産の専門家」が「元本保証・年利30%を保証するプラン」を紹介していました。実績資料も用意されており、参加者の体験談も聞かせてもらいました。「枠が残り3名」と言われ焦って500万円を入金。その後、運用会社のサイトが突然閉鎖し、担当者とも連絡が取れなくなりました。

この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。

この事例から学ぶこと

暗号資産に「元本保証」は存在しない。焦らせる「残り枠わずか」も典型的な詐欺トーク。

オンラインセミナーを使った暗号資産の投資勧誘です。作り込まれた資料、参加者の体験談(サクラ)、「残り枠」という限定感を組み合わせて、その場で判断させます。

この詐欺の特徴

  • Zoom等のオンラインセミナーで専門家を装った人物が説明
  • 「元本保証」「年利30%」など、利益が確実であるかのような表現を使う
  • 「実績資料」「参加者の体験談」はすべて偽造・サクラ
  • 「残り枠わずか」「今日だけ特別価格」と焦らせる
  • 入金後しばらくすると会社ごと消える「出口詐欺(Exit Scam)」

被害を防ぐために

金融商品取引法第39条第1項第1号は、金融商品取引業者等が、顧客に損失が生じた場合やあらかじめ定めた額の利益が生じなかった場合に、その全部または一部を補塡すると約束する行為を禁じています。登録を受けていない業者であれば、金融商品取引業を行うこと自体が同法第29条に反します。暗号資産の交換業についても、資金決済に関する法律第63条の2が内閣総理大臣の登録を求めています。相手の商号を、金融庁が公表している登録業者の一覧で確認してください。「今すぐ決めないと損」という売り文句には乗らないでください。

被害にあったら

  • 警察(サイバー犯罪相談窓口)に届出
  • 金融庁への情報提供(無登録業者として)
  • 弁護士への相談(特定した場合は民事訴訟の可能性も)
  • 暗号資産取引所に関係する場合は取引所にも報告

公表されている相談件数

全国の消費生活センター等に寄せられた「暗号資産(仮想通貨)」に関する相談は、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に次のように登録されています。

年度 2023年度2024年度2025年度2026年度
相談件数 8,4987,2618,132656

出典:独立行政法人国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)」(PIO-NETに登録された相談件数の推移)2026年7月31日更新。https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/crypto.html

相談件数は2026年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)。2026年度の欄は年度の途中までの件数です。2026年度の同じ時点における前年同期の件数は827件です。

同センターの注記によれば、この集計は「暗号資産」(「仮想通貨」または「暗号通貨」または「価値記録」を含む)に関する相談を集めたもので、オンラインゲームのアイテム購入等に使われるゲーム内通貨(電子マネー)などに関するものは対象外です。

これは全国の消費生活センター等に寄せられた相談の件数です。詐欺の発生件数でも被害の件数でもありません。相談されなかった事例は含まれず、相談された内容がすべて詐欺と確認されたものでもありません。

法律ではどう定められているか

投資の勧誘に関する規制(金融商品取引法)

金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第29条は「金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない」と定めています。登録を受けていない者が投資を勧誘して契約を結ばせること自体が、この規定に反します。

登録を受けた業者であっても、第38条第1号は「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」を禁じています。同条第2号は「顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為」を禁じています。

さらに第39条第1項第1号は、顧客に損失が生ずることとなった場合、またはあらかじめ定めた額の利益が生じないこととなった場合に、その全部または一部を補塡するため財産上の利益を提供する旨を申し込んだり約束したりする行為を禁じています(損失補塡等の禁止)。

つまり「元本保証」「年利○%を保証」という言葉は、相手が登録業者であれば第38条第2号や第39条が禁じている話であり、登録業者でなければそもそも第29条に反します。どちらであっても、そのまま受け取ってよい約束ではありません。金融庁は登録を受けた金融商品取引業者の一覧を公表しているので、相手の商号で確認できます。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 323AC0000000025)

暗号資産の交換業に関する規制(資金決済法)

資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第63条の2は「暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定めています。金融庁は登録を受けた暗号資産交換業者の一覧を公表しています。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 421AC0000000059)

詐欺罪(刑法)

刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。

第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)

振込先の口座からお金を取り戻す制度(振り込め詐欺救済法)

振込によって金銭をだまし取られた場合には、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)にもとづく手続きがあります。

同法第12条第1項は、被害回復分配金の支払を受けようとする者は、支払申請期間内に、申請書に資料を添付して「対象預金口座等に係る金融機関に申請をしなければならない」と定めています。申請先は振込先の口座がある金融機関です。同条第3項は、この申請を、振込みの依頼をした金融機関を経由して行うこともできると定めています。

同法第11条第2項は、その支払申請期間について「同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない」と定めています。法律が定めているのは30日という下限であり、期間は無期限ではありません。口座が凍結されているか、公告が出ているか、申請期間がいつまでかは、振込先の金融機関に問い合わせて確認してください。

この制度は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するものです。口座に資金が残っていなければ分配は行われず、支払われる額も失った額と同じとは限りません。

条文:e-Gov法令検索(法令ID 419AC1000000133)

条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。

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