「社会貢献型」のNFT投資で100万円が消えた
被害の経緯
LINEグループで「NFTを購入すると収益の一部が途上国の子供たちに寄付される、さらに購入者にも毎月配当が入る」という投資案件を紹介されました。社会貢献と収益の両立という点に惹かれ100万円分のNFTを購入。配当は3ヶ月で止まり、NFTの価値も暴落し、発行元は音信不通になりました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
社会貢献を謳った投資は感情を揺さぶる詐欺の手法。NFTに「確実な配当」を約束する仕組みは存在しない。
NFT(非代替性トークン)を使った投資勧誘の手口です。「社会貢献」「慈善活動」という側面を強調して、警戒心を下げさせます。
この詐欺の特徴
- 「社会貢献」「慈善活動」「エコ活動」など良い目的を謳う
- 「NFTを買うと配当がもらえる」という仕組みを説明する
- LINEやTelegramの招待制グループで信頼感を演出
- 最初の数ヶ月は本当に配当を出して信頼させる
- ある時点で配当が止まり、発行元が消える「ラグプル(Rug Pull)」
被害を防ぐために
NFTに「確実な配当」を保証する仕組みは存在しません。NFTは価値が保証されておらず、価格は需要と供給で決まります。「社会貢献しながら稼げる」というフレーズは感情を利用した詐欺の常套句です。招待制グループへの参加は慎重に行いましょう。
被害にあったら
- 警察のサイバー犯罪相談窓口に届出
- 購入した暗号資産取引所に詐欺被害を報告
- 金融庁(無登録業者として情報提供)
- NFTのブロックチェーン取引記録を証拠として保存
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
振込先の口座からお金を取り戻す制度(振り込め詐欺救済法)
振込によって金銭をだまし取られた場合には、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)にもとづく手続きがあります。
同法第12条第1項は、被害回復分配金の支払を受けようとする者は、支払申請期間内に、申請書に資料を添付して「対象預金口座等に係る金融機関に申請をしなければならない」と定めています。申請先は振込先の口座がある金融機関です。同条第3項は、この申請を、振込みの依頼をした金融機関を経由して行うこともできると定めています。
同法第11条第2項は、その支払申請期間について「同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない」と定めています。法律が定めているのは30日という下限であり、期間は無期限ではありません。口座が凍結されているか、公告が出ているか、申請期間がいつまでかは、振込先の金融機関に問い合わせて確認してください。
この制度は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するものです。口座に資金が残っていなければ分配は行われず、支払われる額も失った額と同じとは限りません。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 419AC1000000133)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。