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架空請求・身に覚えのない請求への対処法|メール・ハガキ・SMSの実例と無視してよい理由

「利用した覚えのない請求が届いたがどうしたらよいか」という相談が、国民生活センターに毎年1万5千件以上寄せられています。請求の手段はメール・SMS・ハガキ・電話と多様化しており、支払い方法もコンビニでの電子マネー購入など様々です。本記事では、実際の請求文面の特徴・無視してよい理由・すでに支払ってしまった場合の対処法を、国民生活センターの公開情報にもとづいて解説します。

架空請求とは|相談件数は年1万6千件超

架空請求とは、利用した事実のない料金・サービスについて「未払いがある」「本日中に支払わないと法的措置をとる」などと通知し、金銭をだまし取る詐欺の手口です。請求の手段はメール・SMS・ハガキ・封書・電話と多様化しており、支払い方法も口座振込だけでなく、プリペイドカードやコンビニでの電子マネー払いが使われています。

国民生活センターの発表(2025年8月1日更新)によると、PIO-NETに登録された相談件数は2022年度15,672件、2023年度16,359件、2024年度16,511件と推移しており、高い水準で推移し続けています。2025年度は5月31日時点で1,149件(前年同期1,884件)です。

大原則:身に覚えのない請求は連絡・支払いをしない

架空請求業者に連絡すると「この宛先は実在する」と認識され、さらに執拗な請求が続きます。返信・電話・支払いのいずれもしないことが最も有効な対処法です。

こんな請求は架空請求です

  • 「未払いの利用料金があります。本日中にご連絡がない場合、法的措置を執行します」というメール・SMS:期限を強調し、慌てさせる文面が典型的
  • 「訴訟最終告知書」「差押え執行通知」などと書かれたハガキ・封書:本物の裁判所からの通知は「特別送達」という専用の書留郵便で届き、事件番号が明記される
  • コンビニでの電子マネー・ギフトカード購入による支払いを指示する:正規の債権回収でこの支払い方法が使われることはない
  • 「NTTファイナンス」「国民消費者センター」「総合消費料金機構」など聞き慣れない名称を名乗る:実在する機関名に似せた造語が使われる
  • 「あなたの住所・氏名・勤務先を把握している」という個人情報を知っているふりをする脅し:実際には把握していないケースがほとんど
  • 「マイナンバーの更新手続きが必要」「デジタル庁からの通知」などを名乗る(近年増加):公的機関が手数料の支払いを電話・SMS・メールで求めることはない

実際の手口|メール・SMS型とハガキ型

国民生活センターに寄せられた相談事例をもとに、代表的な手口を整理しました。

手口の型内容要注意ポイント
メール・SMS型
最も多いパターン
「未払いの利用料金5万8千円が発生」等の文面で、記載の電話番号への連絡やコンビニ払いを指示 総務省・電力会社・大手電話会社の関連会社などを名乗るケースが多い
ハガキ・封書型 「訴訟最終告知書」「裁判取り下げ期限通告書」等の文書が届く 「裁判所」「法務省」を名乗っても、本物がこの方法で通知することはない
自動音声・着信型 自動音声や着信があり、未納料金があると告げる。折り返すと収納代行業者を名乗る人物が応対する 海外からの発信であることも多く、覚えのない着信は無視してよい

国民生活センターに寄せられた最近の相談事例では、総務省の名前をかたり未納料金があるとの電話が固定電話にかかってきた、契約していない電力会社を名乗るメールが届いた、有料サイトの料金が未納だという着信があり個人情報を伝えてしまい情報が悪用されないか心配、といった内容が報告されています。いずれの事例も、公的機関や大手企業が電話・SMS・メールで直接料金の督促や個人情報の確認を行うことは基本的にありません。

架空請求の文面は年々巧妙になっており、以前は誤字脱字が目立つ怪しい文面が多かったのに対し、近年は実在する企業のロゴやデザインを模倣した精巧なメール・SMSも増えています。文面の見た目だけで本物か偽物かを判断するのではなく、「利用した覚えがあるか」「支払い方法がコンビニでの電子マネー購入や口座への直接振込を急がせていないか」という点を基準に判断することが重要です。

基本原則:無視してよい理由と例外

架空請求は、送りつけた相手が実在する電話番号・住所であるかを確認するための「情報収集」も兼ねています。返信や着信への応答があると、その番号・アドレスは「反応がある宛先」として詐欺業者の間で使われる名簿に登録され、さらに請求が続く原因になります。したがって、身に覚えのない請求は無視することが基本です。

ただし、次の場合は無視せず確認が必要です。まず、実際に利用した記憶のあるサービス(サブスクリプションの自動更新など)については、契約内容を確認したうえで正規のサポート窓口に問い合わせてください。また、勤務先や取引先など実在する相手からの請求に見える場合も、記載の連絡先ではなく、自分で調べた正規の連絡先に確認することが安全です。

すでに連絡・支払いをしてしまった場合の対処法

  1. 電話やメールで返信してしまった場合は、それ以降の連絡には応じず、着信拒否・ブロックの設定をしてください
  2. 個人情報(名前・住所・勤務先など)を伝えてしまった場合は、以後さらなる詐欺の勧誘が来る可能性があるため、家族と情報を共有し、警戒を続けてください
  3. 電子マネー・ギフトカードで支払ってしまった場合は取り戻せない可能性が高いですが、消費生活センター(188)に相談することで次の対応の助言を受けられます
  4. 銀行振込をしてしまった場合は、振込先の銀行に「詐欺被害」として連絡し、口座凍結の依頼をしてください。振り込め詐欺救済法による返金の可能性については振り込め詐欺の返金制度で解説しています
  5. 警察(#9110)に被害を報告してください。同じ手口の被害拡大防止に役立ちます

相談先

窓口連絡先対応内容
警察相談専用電話 #9110 架空請求の被害相談・情報提供。「怪しい請求が来た」だけでも相談できる
消費者ホットライン 188 最寄りの消費生活センターに接続。対応方法・返金交渉の相談
法テラス サポートダイヤル 0570-078374 弁護士相談の案内。平日9:00〜21:00・土曜9:00〜17:00

相談先の全体像は詐欺の相談先ガイドで詳しく解説しています。海外から届く架空請求メールについては海外からの詐欺メールの種類と対処法、宅配便を装ったSMSについては偽の宅配便不在通知SMSの見分け方もご覧ください。架空請求全般の手口は架空請求詐欺の手口一覧もご参照ください。

よくある質問

Q. 身に覚えのない請求メール・ハガキを無視して大丈夫ですか?裁判になったりしませんか?

A. 無視して構いません。本物の裁判であれば「特別送達」という専用の郵便で、裁判所名・事件番号が明記された書面が届きます。SMS・メール・普通のハガキで「訴訟」「差押え」を告げてくるものはすべて架空請求です。連絡すると相手に「生きた宛先」と認識され、さらに請求が続くため、連絡しないことが最善の対処法です。

Q. ハガキに「訴訟最終告知書」「民事訴訟管理センター」と書かれていました。本物の裁判所ではないと確信していいですか?

A. はい、架空請求と判断してよい可能性が高いです。「民事訴訟管理センター」「総合消費料金センター」といった名称は実在する公的機関ではありません。不安な場合は、ハガキに記載の連絡先ではなく、最寄りの裁判所や消費生活センター(188)に自分で調べた番号で確認してください。

Q. 請求の連絡で名前・住所を知っているような口ぶりでした。個人情報が漏れているのでしょうか?

A. 多くの場合、名前や住所を「言い当てている」ように見えても、実際にはランダムに送付した大量のメール・ハガキの一部が偶然当たっているだけ、あるいは以前に別の場所で流出した情報を使っている場合があります。実際に個人情報を伝えていないのであれば、それ以上の被害が広がる可能性は低いですが、不安であれば消費生活センターに相談してください。

参考・出典

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