⚠️ 詐欺被害は2025年に約3,257億円(警察庁)。一人で悩まず確認を。

振り込め詐欺の返金制度|振り込め詐欺救済法の手続きと期限

振り込め詐欺の被害に遭った場合、一部の返金を受けられる可能性があります。本記事では、振り込め詐欺救済法の制度内容、返金手続きの流れ、申請期限、必要な書類などを詳しく解説。急いで対応すべきポイントも紹介します。

振り込め詐欺による被害の現状と返金制度の概要

警察庁の確定値によると、2025年(令和7年)の特殊詐欺の認知件数は27,832件、被害額は1,423.1億円でした。SNS型投資・ロマンス詐欺(15,168件・1,834.3億円)を合わせると、認知件数は約43,000件、被害額は約3,257億円にのぼります。

このうち、被害金が口座への振込みで渡った「振込型」は16,894件で、特殊詐欺の認知件数の60.7%、被害額は823.0億円を占めます。この振込みによる被害を救済するために設けられたのが、2007年(平成19年)12月21日に公布され、2008年(平成20年)6月21日に施行された「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)です。通称を振り込め詐欺救済法といいます。

この法律は、犯罪に利用された口座を凍結して預金債権を消滅させ、その口座に残っていた預金を原資に、被害者へ「被害回復分配金」を支払う仕組みを定めています。支払うのは口座のある金融機関で、預金保険機構が行うのは手続きの各段階での公告だけです。被害額の全額を国や金融機関が補填する制度ではなく、返ってくる額は口座が凍結された時点の残高が上限になります。

振り込め詐欺救済法の対象と返金の仕組み

この法律が対象とするのは「振込利用犯罪行為」、つまり詐欺その他の人の財産を害する罪で、財産を得る方法として被害者からの預金口座等への振込みが利用されたものです(法第2条第3項)。現金を手渡した場合、宅配便で現金を送った場合、電子マネーのコードを伝えた場合は、この制度の対象になりません。

手続きは、被害者や捜査機関からの情報を受けた金融機関が、口座の取引停止等の措置を取るところから始まります(法第3条)。その後、金融機関の求めに応じて預金保険機構が債権消滅手続開始の公告を行い、口座名義人が期間内に権利行使の届出等をしなければ、その口座の預金債権は消滅します(法第7条)。消滅した預金債権の額に相当する金銭を原資として、金融機関が被害者へ分配金を支払います(法第8条)。

預金保険機構は、金融機関からの依頼に基づいて公告を行う機関です。分配金を受け取れるかどうか、いくら返ってくるかを決めるのは金融機関なので、個別の進み具合や金額の問い合わせ先は振込先の金融機関になります。

項目 内容
対象となる被害 預金口座等への振込みが利用された詐欺等(法第2条第3項)。現金手渡し・郵送・電子マネー等は対象外
対象口座 犯罪利用の疑いがあると金融機関が認め、取引停止等の措置が取られた口座
公告を行う機関 預金保険機構(法第5条・第11条)
申請先・支払を行う機関 対象預金口座等に係る金融機関(法第12条・第8条)
返ってくる額 口座が凍結された時点の残高が上限。同じ口座に被害者が複数いる場合は被害額に応じて按分
申請期限 支払手続開始の公告があった日の翌日から起算して30日以上(法第11条第2項)。預金保険機構は原則60日と公表
支払が行われない場合 消滅した預金債権の額が1,000円未満のとき(法第8条第3項)

返金額が全額にならない理由

分配金の原資は、凍結された口座に残っていた預金だけです。犯人が既に引き出していれば、その分は戻りません。同じ口座に複数の被害者がいる場合は、それぞれの被害額に応じて按分されます。個別の金額は、振込先の金融機関が申請に基づいて決定します。

返金申請の手続きと期限・必要書類

警察に被害届を出しただけでは、分配金は自動的に支払われません。公告で示された支払申請期間内に、自分で金融機関へ申請する必要があります(法第12条第1項)。手続きの流れは次のとおりです。

  1. すぐに最寄りの警察と振込先の金融機関に連絡し、振り込んだ口座の取引停止を依頼する
  2. 金融機関が口座の取引停止等の措置を取り、預金保険機構へ債権消滅手続開始の公告を求める
  3. 預金保険機構が公告する。口座名義人が権利行使の届出等をするための期間として、公告の翌日から起算して60日以上が設けられる(法第5条第2項)
  4. 届出等がなければ口座の預金債権が消滅し、続いて被害回復分配金の支払手続開始の公告が行われる。ここで支払申請期間が示される(法第11条)
  5. 支払申請期間内に、振込先の金融機関へ申請書と資料を提出する(法第12条第1項)
  6. 支払申請期間の経過後、金融機関が支払該当者と犯罪被害額を決定する(法第13条)
  7. 分配金が支払われる

申請期限は「口座凍結からの経過年数」では決まりません。支払手続開始の公告があった日の翌日から起算して30日以上と定められており(法第11条第2項)、預金保険機構は原則60日の期間を設けていると公表しています。実際の期限は口座ごとの公告に記載されるため、振込先の金融機関に確認してください。公告は月2回、原則として1日と16日(休日の場合は翌営業日)に行われます。

この支払申請期間を過ぎると、この法律による分配金の支払は受けられません。ただし、加害者に対する民事上の請求まで閉ざされるわけではありません。

書類名 入手先・作成方法
被害回復分配金支払申請書 全金融機関共通の様式は預金保険機構の公告サイトからダウンロードできる。記入方法は振込先の金融機関に確認する
本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
振込みの事実を確認できる資料 振込明細、通帳の記帳、ATMの利用明細など
詐欺のやり取りの記録 メール・SMS・メッセージアプリの履歴など、自身で保管しているもの
返金の受取口座の情報 申請者本人名義の口座

提出先は預金保険機構ではなく金融機関

申請書の提出先は、振り込んだ先の口座がある金融機関です(法第12条第1項)。預金保険機構は公告を行う機関で、申請の受付や支払の決定は行っていません。必要書類や記入方法は金融機関ごとに異なる部分があるため、振込先の金融機関に確認してください。

返金が受けられない場合と申請時の注意点

制度があっても、すべての被害者が分配金を受け取れるわけではありません。受け取れない主なケースは次のとおりです。

  • 支払申請期間を過ぎた場合:公告で示された期間を過ぎると、この法律による支払は受けられません
  • 口座に残高が残っていない場合:犯人が既に引き出していれば、分配の原資がありません
  • 消滅した預金債権の額が1,000円未満の場合:支払手続そのものが行われません(法第8条第3項)。この金銭は金融機関から預金保険機構に納付され、犯罪被害者等の支援の充実などに充てられます
  • 振込み以外の方法で渡した場合:現金の手渡しや郵送、電子マネー、暗号資産の送信などは、この法律の対象外です
  • 被害を示す資料が揃わない場合:申請には、自分が対象被害者であることと、失った財産の価額を示すに足りる資料の添付が必要です(法第12条第1項)

なお、この法律の施行日(2008年6月21日)より前の被害も対象になります。また、振り込んだ口座がまだ公告されていない段階でも、公告の対象になるかどうかを含めて振込先の金融機関に問い合わせるのが確実です。金融機関は、公告の準備が整った口座から順に預金保険機構へ公告を依頼するため、連絡から公告までには時間がかかります。

申請期間を過ぎてしまった場合でも、加害者に対する民事上の損害賠償請求などの手段は残ります。弁護士や法テラス、消費生活センターへの相談を検討してください。

振り込め詐欺被害への対応と相談窓口

返ってくる額は、口座が凍結される前に犯人がいくら引き出したかで決まります。気づいた時点ですぐ連絡することが、返金の可能性をいちばん大きく左右します。

最初にすることは2つです。最寄りの交番・警察署への届出と、振込先の金融機関への連絡(取引停止の依頼)です。

  • 振込先の金融機関:口座の取引停止の依頼先であり、分配金の申請窓口でもあります。手続き・期限・金額の問い合わせ先もここになります
  • 警察相談専用電話 #9110:緊急ではない相談の窓口です。受付時間は平日8時30分〜17時15分(各都道府県警察本部で異なります)。土日祝日および時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内での対応になります。今まさに被害を受けている場合は110番です
  • 預金保険機構 03-6262-6794:振り込め詐欺救済法の手続きや公告の見方に関する問い合わせ窓口です(9時30分〜18時00分、土日・祝日・年末年始を除く)。個別の口座の残高や進み具合には回答できないため、その場合は金融機関に問い合わせます
  • 消費者ホットライン 188:お住まいの地域の消費生活センターや消費生活相談窓口につながります
  • 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374:法制度や相談窓口の案内を受けられます(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)

今後の被害を防ぐには、不審なメールやSMS、電話に対して慎重に対応することが重要です。本サイトの詐欺チェッカー機能を活用すれば、受け取ったメールやSMSが詐欺の可能性があるかどうかを判定できます。怪しいと感じたら、このツールで事前にリスク判定し、詐欺被害の防止に役立ててください。

怪しいサイト・投資勧誘を詐欺診断する

「この投資広告は本物?」「このURLは安全?」AI診断で詐欺リスクを無料チェックできます。

無料で詐欺診断する
どれを選んでも同じに見える人へ — 第三者機関の点数で3社を並べる(おすすめは書きません)
運

詐欺チェッカー 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。消費者被害・特殊詐欺について、警察庁・消費者庁・国民生活センターなどの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。