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口座売買・名義貸しの勧誘に注意|「口座を買います」は犯罪加担のリスク

SNSで「口座を売れば数万円」「使わない口座を貸すだけで簡単に稼げる」という勧誘を見かけることがあります。しかし、有償・無償を問わず預貯金口座の譲渡・貸与は犯罪であり、その口座は特殊詐欺などの犯罪に利用されているとみられています。「軽い気持ち」で応じてしまい、後から重大な法的リスクに気づくケースが少なくありません。本記事では、警察庁の公開情報にもとづき、勧誘の実例・法的リスク・すでに関わってしまった場合の対処法を解説します。

口座売買・名義貸しとは|有償無償問わず犯罪

口座売買・名義貸しとは、自分名義の預貯金口座やキャッシュカード、インターネットバンキングのIDとパスワードを、正当な理由なく他人に譲渡・貸与する行為です。警視庁は「預金口座の売買は犯罪です」として明確に注意喚起しており、有償・無償を問わず、通帳やキャッシュカードを他人に譲渡・貸与する行為、またそれを受け取る行為はいずれも犯罪収益移転防止法違反にあたります。

警察庁は2025年1月、在留外国人が帰国等の理由で使わなくなった口座を安易に他人へ譲渡してしまうケースが目立つとして、注意喚起のポスターを作成し、周知を進めています。こうした口座の多くが特殊詐欺などの犯罪に利用されていることがうかがわれるとしています。

大原則:口座を売る・貸す・買う・借りるすべてが犯罪

「使わない口座だから」「一時的に貸すだけだから」という理由は関係ありません。口座を他人に渡す行為自体が処罰の対象になります。口座を解約したい場合は、必ず金融機関の窓口で正規の解約手続きを行ってください。

こんな勧誘は口座売買・名義貸しの誘いです

  • SNSやマッチングアプリで「口座買います」「口座貸してください」という投稿を見かける:高額な報酬を提示して応募を促す
  • 「使っていない口座があれば数万円で買い取る」という勧誘:不要になった口座を安易に手放すよう誘う
  • 闇バイトの募集に「口座や本人確認書類の提出」が条件として含まれている:実際には特殊詐欺の受け子・出し子・道具として口座が使われる
  • 「海外に引っ越すので口座を売りたい」という投稿・相談を見かける:在留外国人がターゲットにされるケースが多い
  • 「名義だけ借りたい」という事業・許認可関連の依頼(口座以外の名義貸し):実際の運営者ではない人物の名前を借りて事業を行う行為も違法となる場合がある

近年はマッチングアプリの個人間取引機能や、匿名性の高いチャットアプリを通じて勧誘が行われることも増えています。「知り合いの紹介だから安全」「一度だけなら大丈夫」といった油断が被害・加担につながるため、口座に関する金銭のやり取りを持ちかけられた時点で、まず違法行為であることを思い出してください。

実際の手口|SNS募集と闇バイトとのつながり

近年、口座売買はSNSでの募集を通じて広がっています。

手口の型内容要注意ポイント
SNS募集型
最も多いパターン
「口座買います」という投稿に応募し、口座情報やキャッシュカードを送付する 送付した時点で犯罪収益移転防止法違反が成立する可能性がある
闇バイト連動型 「高額バイト」の応募条件として口座・本人確認書類の提出を求められる 口座が特殊詐欺の送金先として使われ、後から警察の捜査対象になる
帰国便乗型 帰国・引っ越しを理由に、不要になった口座を他人に譲渡する 口座は必ず金融機関で解約する。譲渡は選択肢にならない

特殊詐欺で使われる口座の多くは、こうした売買や名義貸しによって流通したものです。求人詐欺・闇バイトの勧誘についても同様の危険があり、詳しくは求人詐欺・就職詐欺の見分け方で解説しています。

「口座を貸すだけ」「名義を借りるだけ」という言葉に惑わされないことが重要です。実際には貸した口座がオレオレ詐欺や還付金詐欺で騙し取られた現金の受け取り先として使われ、口座の持ち主自身が捜査対象になります。SNS上の募集投稿は、応募後にDMやチャットアプリでのやり取りに移行することが多く、やり取りの過程で運転免許証などの本人確認書類の画像を送らせるケースもあります。これらの画像は別の詐欺(なりすまし契約など)に転用される危険もあるため、応募段階で断ることが最も安全です。

売ってしまった・貸してしまった場合の法的リスク

  • 口座を譲渡した側:犯罪収益移転防止法違反により、罰則(懲役または罰金)の対象となる可能性がある
  • 口座を買い取った側:同様に処罰対象となる。さらに口座が特殊詐欺に使われた場合、詐欺罪の共犯として扱われるリスクもある
  • 口座凍結:譲渡した口座が捜査対象になると、たとえ譲渡した本人であっても新たな口座の開設が困難になることがある
  • 信用情報への影響:金融機関の取引制限が長期間続く可能性がある

特に未成年や学生の場合、「軽い気持ちで応じた」というケースでも法的な処罰の対象になり得ることを認識しておく必要があります。困窮した生活費の足しにしたいという動機であっても、口座の売買は解決策にはならず、むしろ将来の口座開設や就職活動にも影響しかねないリスクを伴います。

対処法|今すぐできること

  1. すでに口座情報やキャッシュカードを送ってしまった場合は、まず口座のある金融機関に連絡し、口座の凍結・利用停止を依頼してください
  2. 警察相談専用電話(#9110)に連絡し、事実を伝えて相談してください。自主的な相談は今後の対応において重要な意味を持ちます
  3. 不審な入出金がないか、こまめに口座の取引履歴を確認してください
  4. SNS上のやり取り(募集投稿・DMの内容)を削除せずスクリーンショットで保存しておいてください
  5. 使わなくなった口座は、必ず金融機関の窓口やアプリから正規の解約手続きを行ってください

相談先

窓口連絡先対応内容
警察相談専用電話 #9110 口座売買・名義貸しに関する相談。緊急時は110番
警察庁 匿名通報ダイヤル 0120-924-839 特殊詐欺の被疑者・犯行拠点に関する情報提供窓口
消費者ホットライン 188 悪質な勧誘・トラブルの相談

闇バイトへの勧誘全般については求人詐欺・就職詐欺の見分け方、相談先の全体像は詐欺の相談先ガイドもご覧ください。すでに関与してしまった場合でも、自ら相談することで状況が悪化する前に対応できる可能性があります。一人で抱え込まず、早い段階で専門の窓口に連絡することが重要です。学校や職場で「簡単に稼げる」という誘いを見聞きした場合も、家族や周囲の人に相談する習慣をつけておくと、被害や加担を未然に防ぎやすくなります。特に若年層は「バレなければ大丈夫」と考えて安易に応募してしまう傾向があるため、周囲の大人が早めに気づいて声をかけることも重要です。

よくある質問

Q. 口座を売ってしまいました。逮捕されますか?

A. 口座の売買は犯罪収益移転防止法違反にあたり、有償・無償を問わず、譲渡した側・受け取った側の双方が処罰対象になり得ます。すでに売ってしまった場合は、早めに警察(#9110)に相談し、事実を伝えてください。自ら相談したことが今後の対応に良い影響を与える場合があります。

Q. 口座が凍結されました。売買と無関係でも凍結されることはありますか?

A. あります。第三者に口座情報を知られた場合や、不審な入出金があった場合、金融機関が独自の判断で口座を一時凍結することがあります。心当たりがない場合は、まず口座のある金融機関に直接問い合わせて事情を確認してください。

Q. 家族の口座を勝手に使われていました。どうすればいいですか?

A. すぐに口座のある金融機関に連絡し、状況を説明してください。無断で使用された事実が確認できれば口座の保護や利用停止の対応を受けられます。警察(#9110)にも相談し、被害の記録を残してください。

参考・出典

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