架空の「未払い料金」督促で電子マネーを買わされた
被害の経緯
「有料サイトの未払い料金があります。本日中に連絡がない場合、法的措置を取ります」というメールが来ました。慌てて電話すると「電子マネーで支払えば和解できる」と言われ、コンビニで何度もギフト券を購入しました。合計30万円になったところで詐欺と気づきました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
裁判所や法務省が電子マネーやギフト券で支払いを要求することは絶対にない。
架空請求詐欺は「使った覚えのないサービスの料金未払い」を主張し、脅迫的な文言で支払いを迫る詐欺です。「法的措置」「差し押さえ」などの言葉で被害者を脅して冷静な判断をできなくさせます。
この詐欺の特徴
- 「ご利用の有料サービス」「動画サイト」「出会い系」などを装う
- 「本日中に連絡しなければ法的措置」と時間的プレッシャー
- 電話すると「今なら和解できる」と電子マネー・ギフト券での支払いを要求
- コンビニATMでの振込や電子マネー(Amazonギフト券・iTunesカード等)を指定
- 支払うと「延滞金」「税金」とさらに追加請求してくる
被害を防ぐために
裁判所・法務省・警察は電話やメールで電子マネーやギフト券での支払いを求めることは絶対にありません。身に覚えのない請求は無視するか、消費者ホットライン(188)に相談しましょう。コンビニATMや電子マネーでの支払いを求められたら、支払う前に消費者ホットライン(188)に相談してください。
被害にあったら
- 電子マネー(ギフト券)の番号を渡した場合、残念ながら回収はほぼ不可能
- 追加請求には絶対に応じない(応じるほど被害が拡大する)
- 警察に被害届を提出
- 消費者ホットライン(188)または国民生活センターに相談
公表されている相談件数
全国の消費生活センター等に寄せられた「架空請求」に関する相談は、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に次のように登録されています。
| 年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|---|
| 相談件数 | 16,359 | 16,566 | 8,546 | 1,056 |
出典:独立行政法人国民生活センター「架空請求」(PIO-NETに登録された相談件数の推移)2026年7月31日更新。https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/kakuseikyu.html
相談件数は2026年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)。2026年度の欄は年度の途中までの件数です。2026年度の同じ時点における前年同期の件数は1,156件です。
これは全国の消費生活センター等に寄せられた相談の件数です。詐欺の発生件数でも被害の件数でもありません。相談されなかった事例は含まれず、相談された内容がすべて詐欺と確認されたものでもありません。
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。