息子を名乗る電話で「友人」に現金200万円を渡した
被害の経緯
「お母さん、俺だけど、会社のお金を使い込んでしまった。上司が警察に届ける前になんとかしてほしい」と電話がありました。声が息子に似ていて疑いませんでした。「友人」を名乗る人が来て、現金200万円を渡してしまいました。夕方に本物の息子から連絡があって気づきました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
「振り込め」ではなく「現金を取りに来る」形に変化している。家族の合言葉を決めておくのが有効。
オレオレ詐欺(振り込め詐欺)には、電話で親族などを装って金銭を要求し、ATMからの振り込み、あるいは自宅や指定した場所に来た受け取り役への現金の手渡しでお金を渡させる形があります。電話をかけてきた相手が名乗った本人かどうかを、その電話の中で確かめる手立てはありません。
この詐欺の特徴
- 息子・娘・孫など家族を名乗り、突然「大変なことになった」と電話
- 「警察に届ける前に」「会社をクビになる前に」と時間的プレッシャー
- 「内密にしてほしい」と他の家族への確認を阻止する
- 弁護士・上司・警察官を名乗る共犯者が次々に電話して信頼性を演出
- 「現金で用意して、人を送る」とATMではなく手渡しを要求
被害を防ぐために
家族間で「合言葉」を決めておきましょう。例えば「ペットの名前」など本人しか知らない情報を確認します。電話がかかってきたら、一度切って自分の知っている番号にかけ直してください。「今日中に」「急いで」という言葉が出たら詐欺を疑うサインです。
被害にあったら
- すぐに110番通報
- 現金を渡した場合は被害届を警察に提出
- 全国の警察に「特殊詐欺被害防止コールセンター」があります
- 一人で抱え込まず、市区町村の消費生活センターにも相談を
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。