息子の交通事故「示談金」を急かされ現金を渡した
被害の経緯
朝9時に「お母さん、大変なことになった。車で人をはねてしまって、相手が今すぐ示談金を払わないと警察に届けると言っている」と息子に似た声で電話がありました。続けて弁護士を名乗る男から電話があり、「今日中に250万円が必要」と言われ、指示通りに来た男性に現金を渡しました。本物の息子に電話したとき初めて詐欺と気づきました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
突然の電話で「今すぐお金が必要」と焦らせる手口。必ず自分でかけ直して本人確認をする。
「示談金詐欺」はオレオレ詐欺の進化版です。声が似ていること、パニック状態で確認できなくさせること、弁護士・警察官・上司など複数の役を使って信頼性を高めることが特徴です。
この詐欺の特徴
- 朝の早い時間帯に電話をかけてきて、考える時間を与えない
- 弁護士・上司・警察官などを名乗る共犯者が続けて電話してくる
- 「急いで現金を用意してほしい」と振込ではなく手渡しを要求
- 「家族に相談しないで」「警察に電話しないで」と孤立させる
- 現金の受け取り役(受け子)が自宅に来る
被害を防ぐために
家族で合言葉を決めておきましょう。電話がかかってきたら一度切り、自分の電話帳にある番号にかけ直してください。「今すぐ現金が必要」「内緒にして」という電話は100%詐欺と疑ってください。最寄りの交番や警察署に相談するのも有効です。
被害にあったら
- 110番またはすぐに最寄り警察署へ
- 現金を直接渡した場合でも、被害届は必ず提出する
- 同じ手口の被害者が増えることを防ぐために情報提供を
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。