出会い系アプリで「結婚前提」の相手に貢いで消えた
被害の経緯
婚活目的で使い始めたアプリで知り合った女性と毎日やり取りをしました。「会いたいけど地方に住んでいて交通費が出せない」「家族が入院して費用が足りない」と何度も相談を受け、その都度送金しました。「会うのが夢だった」という言葉を信じ続けましたが、合計150万円を送ったところで突然連絡が途絶えました。
この事例は、一般的な手口の類型をもとに再構成したものです。特定の個人の体験そのものではありません。
この事例から学ぶこと
アプリで知り合った相手へのお金の援助は絶対にしない。実際に会う前に金銭を要求する相手は詐欺。
出会い系・婚活アプリを使ったロマンス詐欺は、異性への感情を利用する非常に悪質な手口です。「会いたいけど会えない」という状況を作り出しながら、金銭を要求し続けるパターンが典型的です。
この詐欺の特徴
- 「会いたい」という気持ちを利用して「会えない理由」を作り続ける
- 「交通費が出せない」「家族が入院した」「急な出費で困っている」など、お金を送れる理由を作る
- 「あなただけに頼っている」「あなたを信じている」と感情に訴える
- 少額から始めて次第に金額を増やしていく
- ある程度の金額を取り終えると突然連絡が途絶える
被害を防ぐために
マッチングアプリ・婚活アプリで知り合った相手には、実際に会うまでお金を送らないことが絶対のルールです。どんなに信頼できると思っていても、「お金が必要」という話が出た時点で詐欺を疑ってください。写真の逆画像検索も有効な確認手段です。
被害にあったら
- 警察のサイバー犯罪相談窓口に届出
- 振込先口座の凍結申請
- アプリ運営会社に被害を報告
- 精神的なダメージも大きいため、カウンセリングや支援団体への相談も検討を
法律ではどう定められているか
詐欺罪(刑法)
刑法(明治40年法律第45号)第246条第1項は「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する」と定めています。同条第2項は、財物ではなく「財産上不法の利益」を得た場合、または他人に得させた場合も同じ刑にすると定めています。
第246条の2(電子計算機使用詐欺)は、人ではなく「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り」、それによって財産上不法の利益を得た場合も、同じく十年以下の拘禁刑に処すると定めています。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 140AC0000000045)
振込先の口座からお金を取り戻す制度(振り込め詐欺救済法)
振込によって金銭をだまし取られた場合には、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(平成19年法律第133号)にもとづく手続きがあります。
同法第12条第1項は、被害回復分配金の支払を受けようとする者は、支払申請期間内に、申請書に資料を添付して「対象預金口座等に係る金融機関に申請をしなければならない」と定めています。申請先は振込先の口座がある金融機関です。同条第3項は、この申請を、振込みの依頼をした金融機関を経由して行うこともできると定めています。
同法第11条第2項は、その支払申請期間について「同項の規定による公告があった日の翌日から起算して三十日以上でなければならない」と定めています。法律が定めているのは30日という下限であり、期間は無期限ではありません。口座が凍結されているか、公告が出ているか、申請期間がいつまでかは、振込先の金融機関に問い合わせて確認してください。
この制度は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するものです。口座に資金が残っていなければ分配は行われず、支払われる額も失った額と同じとは限りません。
条文:e-Gov法令検索(法令ID 419AC1000000133)
条文は e-Gov 法令検索で公開されている法令本文から引用しています。ある行為がこれらの条文に当たるかどうかを判断するのは捜査機関と裁判所です。このページは条文を示すだけで、個別の事案についての法的な判断を示すものではありません。